自転車と美術館と私…その1(伊東豊雄建築ミュージアム)
2014年 07月 07日
私たちサイクリング同好会は、しまなみ海道沿いの大三島を訪れ、自転車で美術館巡りをしました。この日は一点の曇りもない快晴で、海の青さがまぶしい汗ばむ陽気となりました。
今回訪れたのは、伊東豊雄建築ミュージアム、ところミュージアム大三島、今治市大三島美術館、村上三島記念館、岩田健母と子のミュージアムの5つ。
大三島は坂道が多く、伊東豊雄建築ミュージアムは曲がりくねった坂を幾つか越えたところにありました。
疲れてへとへとになったところに、人の形の自転車スタンドが涼しげな顔で迎えてくれます。
大三島の南西側に位置するミュージアムは、約6300㎡もある広大な敷地の中にあって、眼下に海を一望できます。
建物にはスティールハットとよばれる展示棟とシルバーハットというワークショップ棟があり、向こうに見える黒い建物がスティールハットです。
ここから見るスティールハットは、SF映画『プロメテウス』の女性主人公が、科学者チームを率いて未知の惑星にたどり着き、そこで彼らを待ち受けていた謎の宇宙船を彷彿させます。
窓のない多面体の黒い外壁が独特の世界観を放ち、観客を未知の世界へといざないます。
映画では科学者チームが宇宙船の内部調査を開始し、やがて驚愕の真実を目の当たりにすることになりますが、このサイクリストチームもやがてスティールハットの真実を知ることになろうとは。。。
中に入ると、地形を上手く利用した設計により1階に見えるエントランスホールは建物の2階だったことに気づきます。
一番上のエアダクトのようなところは1階からの吹き抜けになっていました。
受付のホールを抜けると大人が5、6人は横になれる部屋が3つ続き、ROOM1、ROOM2、ROOM3と名付けられています。
部屋は上から見ると正六面体、横から見ると台形という複雑な形でした。
内観は残念ながらブログではご紹介できませんが、直線を基調としたシンプルな内装デザインは非日常的な雰囲気に満ちていて、ROOMの壁や天井は海に見立てて濃紺色で統一されています。
壁一面に、両手ほどの大きさの島の模型が点在し、照明を抑えた室内はプラネタリウムのようです。頭上に瀬戸内海の島が浮かんで見えるといった感じです。
未来のハイテクを備えた宇宙船のようにあたりは何も無く、クッションが1つあるだけですが、寝転がるととても寛げました。
ROOM3には1階のサロンに下りる階段があり、窓から外が眺められます。
映画の主人公はクライマックスシーンの極限状態で、惑星から30光年以上離れた地球のことを故郷と呼んでいましたが、私が主人公なら宇宙船の窓にこの光景が映ったかもしれません。
内部調査を終えサイクリングチームが外に出ると、見慣れたはずの海がなつかしく、長旅をしてきたような不思議な感覚になりました。
伊東豊雄建築ミュージアムは、観客の心を引き寄せるオーラをもった宇宙船のようで、内側は無限の可能性を秘めた空間が広がっていました。
でも
この方は乗組員ではありません。
つづく
今治支局総務県民室でした。
by ehimeblog | 2014-07-07 09:37 | 愛媛のイベント