観光列車「伊予灘ものがたり」 出発進行!!
2014年 07月 31日
一足早く7月23日(水)の試乗で乗車できたので、
その様子をレポートさせてもらいます。
全国ではJR九州の「ななつ星 in 九州」など、様々な観光列車が注目されていますが、「伊予灘ものがたり」は、JR四国では初めての食事を楽しめる観光列車で、土・日・祝日に1日4便が運行されます(2両編成・全席指定)。
第1便「大洲編」 松山駅09:10発→伊予大洲駅10:33着
第2便「双海編」 伊予大洲駅10:52発→松山駅13:12着
第3便「八幡浜編」 松山駅13:28発→八幡浜駅15:50着
第4便「道後編」 八幡浜編16:05発→松山駅18:06着
「和と洋を調和させたレトロモダン」をコンセプトに、
伊予灘に沈む夕日と特産品の柑橘をモチーフにした茜色と黄金色の車体と、
砥部焼や県産ヒノキを随所に使用したこだわりの内装は、「非日常空間」を演出します。
…以上が、すでに各メディアで取り上げられている「伊予灘ものがたり」情報です。
一通りの予備知識を持って、さあ、試乗会へ!
試乗会の対象は、松山駅~大洲駅を「愛ある伊予灘線」経由で
1時間23分かけて旅する「大洲編」でした。
午前9時ごろ、松山駅3番線に「伊予灘ものがたり」が入線してきました。
茜色と黄金色の車体はやっぱり目を引きます。
期待に胸を膨らませて乗車口に向かうと、
大洲駅までお世話になるJR四国のアテンダントさんが笑顔で出迎えてくれました。
乗り込む時点から既に特別な時間が始まっていますね。
さて、車内に踏み入れると、そこはいつもの列車とは全く異なる空間。
○座席は、伊予灘の景色が堪能できる海側向きの展望シートと、ボックス席
○車内には、県内の特産品のおしゃれなショーケースが。
○壁にかかっている絵をふと見ると…、畦地梅太郎さんの版画「勝山城(松山城)」
○車内の洗面ブースには、藍色でバラの花が描かれた砥部焼の洗面鉢
床、壁、座席と木目がふんだんに取り入れられて、温かく寛いだイメージです。
感心しながら車内を見て回ったところで、「伊予灘ものがたり~大洲編~」は、
大勢の駅員さんに見送られながら伊予大洲駅に向けて出発しました。
まだまだ車内を見学していたいところですが、ここでいったん着席。
発車後しばらくは、いつもの特急や普通列車で通るのと同じコースですが、
ゆったりしたクッション付きのシートから、シックな木目の窓枠を通して眺めると、
見慣れた景色も、雰囲気が違って感じられます。
そうこうするうちに、「伊予灘ものがたり」の目玉の1つ、お食事が運ばれてきました。
9:10発車の「大洲編」では、道後やや・ヨーヨーキッチンの朝食が楽しめます。
料理を給仕してくれるのは、伊予灘ものがたり専属のアテンダントさん。
彼女たちは、食事や飲み物のサービス、車窓からの風景のアナウンスや、
沿線の観光情報の提供を行ってくれます。
通常列車の簡易テーブルとは全く違うゆったりとしたテーブル席で、
一皿ずつ運ばれる料理をいただきます。
車窓の移り変わる景色を眺めながら寛いでいただく朝食は、とても贅沢な時間です。
料理の提供に使われている食器は伊予灘ものがたりオリジナルで、
女性の陶芸家グループ「とべりて」さんによる砥部焼製品です。
さらに、手元の可愛らしい箸置きに目をやると、これは四国中央市の水引細工。
実は、この箸置きはJR四国から乗客へのプレゼントで、
下車の際に持ち帰ることができます。
気に入られた方は、車内販売で、茜色、黄金色の各色セットが購入できますし、
それ以外にも、さまざまな特産品が車内販売されているので、
旅の思い出におひとついかがでしょうか。
㈱エイトワンの自社農園栽培のお野菜を使った料理を楽しんでいるうちに、
列車は、予讃線山回り線と「愛ある伊予灘線」(海回り線)の分岐点・向井原駅に差し掛かります。
松山-宇和島間の特急列車が内子線を経由する現在では、
地元の方以外で海回り線を利用する方は少なくなっています。
しかし、海回り線はその愛称「愛ある伊予灘線」のとおり、
伊予灘の穏やかな海景を一望できるという魅力が。
夕方であれば、伊予灘の夕日も見られますが、本日は午前中の便。
快晴に恵まれたこともあり、空のブルーと海の濃紺が溶け合って、
夏らしい爽やかな色彩を味わえました。
さらに「愛ある伊予灘線」を進んでいくと、オーシャンビュー以外にも、
沿線や通過駅で様々な必見ポイントが現れます。
うっかりすると見落としそうですが、大丈夫。
アテンダントさんがやさしい語り口で、事前に紹介してくれます。
ここでもご紹介したいところですが、
やはり、これは実際に乗車して確かめていただきたいので割愛。
食後のコーヒーを頂いて、一息ついたところで、車内の探検を再開。
私たちは外装が夕日色にカラーリングされた1両目「茜の章」に乗車していましたが、
2両目の「黄金の章」もちょっと拝見させてもらいました。
こちらは、床の木材やシートの色が明るく、内装全体も洋風なイメージ。
さらに、バーカウンターが設置されていて、食事をすませた乗客は、
こちらで好みの飲み物や軽食を注文することができます(別途料金)。
列車内のバーカウンターなんて、なんだか外国の豪華列車みたいですね。
自分でカウンターへ注文に行っても良いですが、
アテンダントさんは、それぞれの座席までメニューの案内、サーヴをしてくれます。
さて、伊予灘を右手に眺めながら進んできた「愛ある伊予灘線」も、伊予長浜駅から先は、
海から離れて景色が変わっていきます。
しかし、それから伊予大洲駅まで車窓に広がるのは、肱川の水面です。
海面とはまた違って、翡翠色の川の流れも清涼感がありますね。
車両、料理、景色、そしてアテンダントさんの暖かなおもてなしを楽しんでいるうちに、
1時間20分余りの小旅行は、終点の伊予大洲駅に到着してしまいました。
ゆったりとした非日常的な時間でありながらも、着いてみるとあっという間です。
「伊予灘ものがたり」の乗員の方々は、この後、折返し運転の「双海編」が
20分足らずで発車になるため、次のお客様をお迎えするための準備がありますが、
最後まで笑顔で試乗会参加者を見送ってくれました。
下車前には、乗車日入りのボードをもって、記念撮影も。
アテンダントさんとの交流も、観光列車「伊予灘ものがたり」の魅力ですね。
試乗会では、観光列車を下車後、大洲駅の向かい側ホームに停車していた
特急「宇和海8号」で速やかに現実世界に連れて帰っていただきましたが、
本来は、駅周辺や、ちょっと足を延ばした先の大洲城など、
下車後の観光も楽しんでもらいたいのが「伊予灘ものがたり」。
7/26(土)の運行開始後は、大洲市の散策マップやグルメクーポンなども
提供されるので、乗車される方は、ぜひ特色ある沿線地域もご堪能ください。
今回試乗した「大洲編」以外の「双海編」、「八幡浜編」、「道後編」でも、
それぞれ異なる趣向のおもてなしと沿線の魅力があります。
車内で提供される食事もすべての便で異なっています。
座席は、全席指定(便により1,930円~2,260円)で、
車内での食事(別途料金)を希望する方は、事前に予約が必要です。
個人予約は、乗車希望日の1ヶ月前から受付。
詳しくは、JR四国ホームページ等でご確認ください。
すでに予約で満席の日もありますが、
ぜひ、ご家族、ご友人と「伊予灘ものがたり」を楽しんでみてください。
交通対策課でした。
by ehimeblog | 2014-07-31 16:26 | その他